【1】、【2】、【3】、【4】、【5】
【6】は、こちらから
「・・・・・・・・・・・・・痛いです」
呟くように。
だいだいさんは言った。
「私もやばいかも・・・・・・・・です」
でも。
その言葉は。
べつに同情、同意して欲しいとか。
ペースを落としたいとか。
泣き言とか。
そういうんではないと思った。
ただ、口から漏れた、そんな感じ。
ずっと、隣の位置をキープしながら走っていたわけではなく。
時には、どちらかが一歩前に出て走っていた。
弱気になればペースは落ちる。
いつでも、弱気な心は。
止まりたい、歩きたいという誘惑を仕掛けようと虎視眈々。
二人のどちらが辛いのかなんて。
証明する方法なんか、無い。
弱気に同情はしない。
自分らしい走りを願うプライドを認め合うだけだ。
時に私が、一歩前に出る。
余裕を見せてるつもりではなく。
次の一歩を引っ張ってもらいたいから。
その一歩で相手の気力を引き出す。
次の一歩で、相手の気力を受け取る。
その繰り返し、繰り返し。
今。
ベストは尽くしているのか。
ずっと足に問いかけていた。
もうすでに。
気力を切らせないように走るだけ。
淡々、と。
淡々、と。
ただ、下り、走り続けた。
もう着いてもいいんじゃないか。
着きそうで着かない。
今まで共に旅をしてきたウサギさんたち。
次々と足が止まっていった。
腰に手をあてて。
肩で息をしていた。
「いつになったら着くんだよ・・・」
彼らの、最後の追い越しは無かった。
眼下には、川の轟音。
細く、滴る滝が見える。
底は、ずっと下。
ふっと、自分の落ちる姿を想像したりして。
水が溢れこぼれるかのような王滝エリア。
そこかしこの湧き水を存分に受け取り。
今滴る汗は。
きっとすべて王滝産(笑)?
迫り来るような山肌。
時折、岩が剥き出しになっていて。
豪快な風景を作り出す。
そろそろ旅の終焉が近づいてくる。
だいだいさんがもうすぐだとアナウンス。
●小エイド 92㎞地点
最後の給水とトイレをゆっくりと。
取材の人がいて、カメラを向けてきた。
こっち向いて~とか何とか言われたけど。
最初、何、アンタ?と気が回らなく。
ぼけーーーっと顔をしてしまったではないか。
こりゃ、カット確実だな(爆)
だいだいさんが、「17時間切れますね」と言った。
マジッすか?!
19時間は切れるかなって思っていたけど。
16時間ですと~~~!!!
鼻息、思いっ切りフンガフンガ荒くなる!
だって17時間まで、まだ1時間あるんだよー♪
「17時間、切りましょう―――!」
火照った体に、更に小さく炎が燃えるっ。
ゴール間近だと思うと、足取りも軽く感じる。
前方の選手を一人ずつ追い越す。
もう少しでトレイルを脱出できる(笑)!
一日ぶりの舗装路よ~♪、早く出ておいで~♪
トレイルの出口にはスタッフが。
「後、3㎞だよー」と声をかけてくれた。
塩キャラメルも頂いちゃった♪
うっそ~~~、後3kmって・・・・・・・・
もうすぐじゃんっ!!!
実は今回のコース、100㎞ないんだって。
しゅーーーーん。
だから、ここで「後3㎞」って言われた時、納得してたんだな。
あー、最後の距離が少なくなってるのかな?って。
でも、ね。
ここからが辛かったっ!
はっきり言って、一番辛かったかも!
だって、「後3㎞」なんかじゃなかったからっ。
最初は快走だったさ。
だって、もう全力だしてもいい距離じゃん?
そばを流れる河原。
そりゃもう、これが王滝の最後の贈り物~♪と。
目に、心に焼き付けていたんだけど・・・
あぁ、最後なのねん。
しみじみ、ウルトラの旅の最後の風景・・・・・・・・・
なのにね。
コース整理の青いコーン。
本当に、何処までも何処までも続いていたよ。
最後の舗装路は直線コースだし。
先の先まで見えるコーンに。
脱力しかけたよっ!
どんだけ続いてるんだよっ。
しかも段々上り基調。
チクショーっ!!!
スタッフはいないのかーっ!
とっ捕まえて、「本当は残り何キロなのー!」と、
首根っこ捕まえて問いただしたい気分。
なのに。
ゴールまで、スタッフいませんでしたからっ。
地元の人もいませんでしたけどね。。。
あぁ、静かな昼下がり。
一度出してしまったスピードは。
簡単には落とせない(泣)。
喘ぎながらも、ゴールを目指すしか、無い。
トホホホホホホ。。。。。。。
橋に差し掛かり。
やっと頭上には、松原スポーツ公園。
え~~~、ここを上って行くのねん。。。
上りに差し掛かり、とうとう歩きが入る(泣)。
後ろから、力強く走り去るランナー。
「辛いっすねー」って声をかけてくれたけど。
キミ、笑ってるからねっ。
楽しいそ~に♪
このドMめ☆
やっと上りきっても、まだゴールゲートが遠い・・・・・・・
もう、何度も時計を見てしまったよ。
やばい?なんか、やばくない?
かなり焦り気味の小心者のワタクシ。
ちょいと早めのペースで走りすぎだったかも。。。。。。
だいだいさんを置いてけぼりにしてしまふ。
す、す、すいません。。。。。
それでもやっとゴールゲートを確認することが出来て、ほっ。
出走者が少ない大会。
当然、応援もいない。
普通の大会では見られない、
"応援者による花道"のないゴール付近。
緊張感を携えてるのは、選手だけ。
誰にも声をかけられることなくゲートをくぐるのかと思ったら。
OSJの滝川社長が出迎えてくれてた。
きっと。
選手のゴールを一番喜んでくれているのは、この人だろう。
大きく手を振り、「ただいまー、ありがとうございますー!」
真夏の昼下がり。
喧騒は無し。
感じるのは。
自分のはやる気持ちと、併走者の存在。
何者にもかし消されることなく。
昂ぶる心と体は。
ゴールへといざなわれる。
だいだいさんの手を取って。
大きく万歳フォーム。
憧れの。
初ウルトラマラソンの。
ゴールゲートをくぐるっ!!!
●ゴール地点
経過時間 : 16時間49分3秒 (1時間00分 : 7km毎のタイム ←あやふや)
エイドでの休憩を除くと、48分(7km毎のタイム ←結局何kmだったんだろ)
←ちょいとあやふや~。とりあえず、記録として残しておくけど。。。
うれしい―――っ!!!
「キャーーーーー♪完走しちゃったよっ!!!
どーしましょっ!!!」
突如として、キラキラキラ。
暑い陽射しが。
まるで祝福のくす玉を割ったかの如く、降り注ぐように感じた。
気持ちの良いシャワーだった。
もう、飛び跳ねたい気分だった。
ピョンピョンピョーーーーン♪♪♪
ウルトラ・ランナーの誕生だよ(97kmだけど)!!!
もー、文字通りこの時は、地味にはしゃぎまくり。
あまりに浮かれ過ぎて、だいだいさんにお礼も言わないで、
自己紹介もとうとうしないままで、お別れしてしまったんだな・・・
どーもすいませんでした。。。。。。
こんなにお世話になっておきながら。。。。。。。
でも。
名前も告げない出会いというのもロマンチック(笑)?
次は、ハ○○○で~、とお別れ。
←が。某所でお互いの名前バレがあり。
ロマンチック、あっさり終了(笑)。
ゴールの脇には、げんぼさん♪
おぉー、1日ぶりにこんにちはー。
すっかり、レースの高揚感が通り過ぎ。
涼しい顔つきをしていた。
口ぶりも冷静で、いつもの感じ。
私一人興奮して話してた。
少ーし、気になってたことを問いただす。
「・・・・・・・完走、した?よね?」
「しましたよー」
んっもぉーーーー。
完走したなら、先に言ってくれなきゃ。
ゲートそばに。
立ってるランナーなんかいなくって。
ゴールした人は、みんな日陰でのびてるもんだから。
ちゃんと立ってるげんぼさんを見て、
「えっ、もしかしてリタイアしちゃったの?」と。
要らぬ心配をしてしまったではないのっ。
力いっぱい使い果たして。
りっぱなタイムでのゴール、おめでとうございました~♪
お互い、初ウルトラがおんたけ♪
周囲からも、ロードのウルトラを走ったことがないのに、
よくおんたけを走るよね、と言われてた。
でも。
おんたけだから。
トレイルだから。
理由は明確。
リタイアに心が流されないのは。
やっぱ、自然の中の大会だから。
(あきらめなきゃ、制限時間が助けてくれるしね~)
月夜のランが気持ち良かっただの、
ここがきつかっただの。
もー、話は尽きない♪
この興奮は、何だかハ○○○とは別格。
きっと、ロードのウルトラとも違っていた気がする。
ハ○○○は。
始終緊張を強いられてるけど。
確かに、景色に魅せられる瞬間もあるんだけど。
おんたけウルトラは。
王滝の移り行く時間帯、流れ行く風景、
雄々しき自然、私たちの命を枯らす事の無い湧き水は。
レースという枠を飛び越えていた気がした。
旅をした。
知らない土地を旅した気分。
自然の後押しを受けて。
へっぽこな体を抱えて。
16時間49分3秒。
思いっ切り、体を使って、遊びきりましたっ!!!
自分の健康がうれしい。
この縁がうれしい。
走れる喜び。
みんな、みんな、会えてうれしい。
どんどん楽しかったことだけが、心に残る。
辛かったことは・・・・・?
はて。
忘れちゃったよーん。
って、辛いことなんか、あったっけ?
なーい、なーい、ないってことにしておこっ♪
そうして、また。
次回こそは、もっと更に、打ちのめされることを夢見て(笑)?
おんたけ、再びっ!と、誓う、懲りない面々なのであった~。
アッハハハハハー。
******************************
豚汁とバナナのサービスもあったけど。
送迎バスが発車するということで、飛び乗り。
宿に帰る。
旅館の人たちに、次々と、
「完走、おめでとうございます~」と祝福の言葉を受ける♪
若旦那のとこには、すでに色んな情報が届いているようで。
装備不備の選手が少なくなかったことやらなんやら、あれこれ聞く。
私はもう、夜空が素晴らしかっただの、
おんたけが綺麗に見えただの。
興奮状態収まらずという感じで、べらべらまくしたてる(笑)。
久しぶり温泉に。
晩御飯♪
ほとんどたいらげて、パーティー会場へ。

いさん、ぐっさん、S井さんらと待ち合わせ。
みんなで、ほのぼのしたレース談♪
ぐっさんの奥様を紹介されてびっくりあんぐり。
美人で、器量良しっ!
私なんかより、全然大人な男性に見えたぐっさんがっ。 ←当たり前
奥様と並ぶと、まるで少年に見えてしまったのがなんとも~♪
ここで。
「ブログを見てます」と、kako旦那さんに話しかけてもらったんですよね!
レース中に気がついてくれてたなんて、ありがとうございます!
出会い、うれしかったです♪
このブログのことが片隅に存在することもあるなんて。
うれしいですっ!!!
書き忘れてたけど。
スタート前、公民館の中で。
おんたけミーティングに参加のAさんとその彼女?とも再会したんです!
←ブログのことは話題にしてないから、呼びかけてもわかんないってば☆
レース数日前にも、○ートスポーツで、声をかけてもらってて。
見つけてもらえて、うれしかったです♪
あっ、靴を頂いたサロモンの役員の方にも、お礼に行きました☆
こーーーーんなに楽しい大会なのに。
なんで400人弱しかエントリーしないんだろ???
不思議、不思議。
疲労より。
楽しさの方が多くて。
ウキウキした気分で会場を後に。
シャンケン大会は・・・・・
また当たったら申し訳ないので(爆)、参加せず。
*********************************
とりあえず。
睡眠不足をカバーしなきゃっ!と、気合を入れて就寝。
寝てすぐ。
体に異変を感じる!
・・・・・・・・・・・・・・・・・・ヤバイ、かも。
やっちゃったかもっ。
気にしない振りして。
このまま寝てしまいたい・・・・・・・・・・・
がっ。
許されることもなく。
そのまま寝ることも出来ず、朝にっ!
そう、たーこさんの泣き所の腰っ。
やらかしました、激しく腰痛っ!!!
でも。
ストレッチすれば、多少良くなるかもと希望を繋ぐが。
一向に回復の見込みなく、ますます悪くなっていったのだ・・・・・・・・
仕方ないので、荷物はすべて宅配で送ってもらい、
身、一つで帰ることに。
観光を何一つしないでっっっっ!!!
旅館の方々にもご心配をかけまくり。
昨日までの、「全身幸せオ~ラ」を漂わせてた私はいずこ(泣)。
まっ、すべてが終わった後で良かったけどね。。。
旅館の前の椅子に座り、バスを待ってる間。
例の大旦那、登場。
ホント、この人、味があるよな~と、のんびり会話。
午前中の一仕事を終えた従業員家族も。
小さな子らを外に連れ出し、のんびりタイム。
女将さんが湿布を持ってきてくれて、貼ってくれた。。。
またまた若旦那が話をしに来てくれて、のんびり会話。
まっ、観光はまたでいっか、と。
心、癒されまくりの私。
また、いつかね。
王滝村。
思い出深い旅を、ありがとう。
関わってくれたすべてに、感謝。
暑い暑い、夏休みの思い出。
海の日なのに。
きらめく山の2日間でした。

【完】
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